2012年8月19日日曜日

実践編 8 ツェルマット ホテル・シュバイツァーホフ

 

ツェルマットで3泊したホテル・シュバイツアーホフ・ツェルマット



 ここも立地で決めたのですが、駅からの近さでは3本の指に入るのではないでしょうか。歩いて1分です。スーパーのCOOPも近いし、出てすぐのところにKIOSKもあります。
 こちらはスイミングプール・ジムやタイ料理のレストランまである4つ星の高級ホテルで、荷物も部屋まで運んでくれるし、スタッフは全員黒服にネクタイで、笑顔で対応しれくれます。
 部屋はバスタブありの部屋で調度品も木製の古い感じ。水、フルーツ、お菓子がついています。私たちの部屋からは見えませんでしたが、もっとランクの高い部屋はマッターホルンを眺めることができ、バスローブもついているようでした。バスルームは4つ星ホテルなりの用品が置いてあります。しかし歯ブラシが置いてあるっていうの日本だけなのでしょうか。

 


こちらがマッターホルンの見えるハイグレード棟

 朝食は、ゴルナーグラートから帰ってきて9時半ごろに入った時にはクロワッサンとか甘いパンがあったのに、翌日早い時間にはありませんでした???また、白いご飯と味噌汁もありましたが、味は今一つ。あれならピラフにコンソメスープのほうがいいなあ。
 
 バルコニーで自炊したりして、それなりに快適に過ごさせていただきました。

ちなみに「シュバイツアーホフ」という名前のホテルはスイス各地にあるようです。チェーンかどうかは知りませんが。


実践編 7 ブライトホルンへの装備・服装・技術について

ブライトホルンへ私も登ってみようかな、と思った方へ



道具はどこで借りるか


 今回私たちが借りたのはハーネスとクランポン(アイゼン)だけです。靴、トレッキングポールは日本から持って行きました。なんなら靴も現地で借りられます。日本の女性の小さいサイズがあるかどうかわかりませんが。
 私たちは駅前の(そしてホテルから一番近い)BAYARDという大きなスポーツショップで借りました。2点×2人で52フラン。物価の高いスイスにしては安いのでは?他にもツェルマットの街中にはたくさんのスポーツ店があって登山道具だけでなく、スキー・スノーボード、マウンテンバイクなどを貸してくれます。出されたクランポンは10本爪のだいぶ古い感じのものでした。
 ハーネス、クランポンともに装着の仕方を店員から聞いて終了。ちなみに前日借りの当日返しが原則です。クランポンを借りるときは自分の靴を持参するように。それに合わせてくれます。また私たち同様に慣れていない人は、ハーネスとクランポンの装着の練習を前日にしておいた方がいいです。


6本爪の簡易アイゼンではどうか


 事前にメールでツェルマットのアルパインセンターに、「自分は6本爪のクランポンを持っているのだが、10本爪や12本爪のクランポンを現地で借りた方がいいだろうか?」という質問をしていたのですが、「クランポンは市内のいたるところで借りられる」という返信だけで、6本爪でいいかどうかの回答はありませんでした。実際持って行きませんでした。
 結論としては、6本爪ではダメです。斜度もあるし稜線にはナイフリッジ状のところもあります。危険です。10本爪以上のものを使いましょう。


ピッケルは必要?


 ピッケルは滑落停止など正しい使い方を知らない者には邪魔なだけでしょう。それより初心者は確実かつ効率よく歩くための補助としてトレッキングポールを使った方がいいとおもいます。2本より1本のほうがいいのではないでしょうか。雪用のスカートをつけるのを忘れずに。



 その他服装について


 耳を覆う毛糸の帽子、サングラス、手袋は必需品。それに日焼け止めとリップクリーム
温度は風が弱かったせいもあって、上はTシャツ、長袖シャツ、ウインドブレーカーがわりの雨具。下はタイツに夏用スボンで大丈夫でした。薄いダウンを持って行きましたが、着る機会はなかったです。絶好のコンディションだったのでこれで済みましたが、日程が1月前後していたり、日差しがなかったり風が強かったりすればグンと寒くなると思います。
 あと、英語の案内ではゲイター(膝下から靴のすぐ上までを覆う雪が入らないようにする冬用の丈夫なスパッツ)も準備する装備に入っていました。ブライトホルンの歩行距離や難度、積雪量からいってゲイターを必要とするほどではありません。


食料と水について

 午前中に戻ってきてしまうので、昼食を持っていく必要はありませんが、チョコレート、アメなどを持っていくといいでしょう。また、案内では1リットルの水とあります。私たちは水は現地スーパーで買いましたが、他に日本から保温できる水筒を持って行きました。毎朝ホテルでお湯を入れて持ち歩きましたが、とても役に立ったと思います。



高度の心配について


 私たちは高度順化と登りのトレーニングを兼ねて3415mのオーバーロートホルンに前の日に登りました。オーバーロートホルン自体とても素晴らしいところです。おススメです。さらに気になる方はこのマッターホルングレッシャーパラダイスまで前日に上がってきて、スキーでもやってみるといいかも。


ガイドについて


 申し込みは日本からネットでできます。英語のやり取りが必要ですが。詳しくは準備編を見てください。結果的には前々日にアルパインセンターを訪ねた時に正式に申し込んだ形になっています。前日申し込みでアレンジ可能なのかどうかはわかりません。
 当初申し込んだ時はグループガイドでした。日本人とグループを組む可能性が高いと他のブログでみたものですから。でもいつもそうなるとは限りませんよね。カミさんは歩くスピードが遅いので、外国人と組んだ場合ブレーキになってしまうかなと思って、結局プライベートガイドを申込みました。値段については180フランほど高かったわけですが、結果的に良かったのではないでしょうか。ただいずれにせよ、ある程度の英会話はできないと難しいかな。


体力・技術について

体力的には長く厳しい上りがあるわけではないので、あまり心配いりません。技術的にもカミさんはクランポンをつけて雪道歩くのは初めてでしたが、問題はなかったです。ただ、頂上付近の稜線は確かに高度感はあります。高いところで足がすくんでしまうと難しいかもしれません。



保険について

今回迂闊にも、というか無謀にも特に保険には入っていきませんでした。普通の旅行保険が登山中の事故に適用されるか調べもせず。こちらはよく調べて加入されることをお勧めします。


みなさんもフライトホルンにチャレンジしてみては?



以下はアルパインセンターからメールで送られてきた注意書きの抜粋です。

4000m peaks day trips: Offers for groups
The price:
Agency fee incl. VAT, guiding by mountain guide incl. Certificate for Breithorn, Pollux or Castor
(cable car tickets are not included in the price)
Size of group:
Breithorn: 3 to 6 people per guide
Pollux: 2 to 3 people per guide
Castor: 2 people per guide
Half-Traverse of Breithorn: 2 people per guide
Equipment:
Good climbing boots suitable for use with crampons, ice axe (except for Breithorn) climbing harness, crampons, 1 ski or hiking pole, gaiters, warm weather-proof clothes (sweater, jacket, long johns), warm gloves and mittens, a warm hat, a hat for protection from the sun, sunglasses, high factor sun screen, a thermos flask (for warm drinks, approx. 1 lt. capacity), packed lunch (refreshments: high-energy food such as chocolate, dried fruit, glucose, etc.), a pocket knife, rucksack
Registration:
We advise bookings to be made at least 3-4 days in advance. However, registration can also be possible at short notice.
Opening hours Alpin Center: 9 am to 12 pm, 3 pm to 7 pm
Note:
Private guides available on request.
Insurance: At your own risk (accident insurance and air rescue insurance in case of an accident is highly recommended)
Extras: We will gladly issue gift vouchers for any of our offers.

旅程編 5 第5日 ブライトホルン登頂

第5日

  ツェルマット → マッターホルン・グレッシャーパラダイス
  マッターホルン・グレッシャーパラダイス ~ ブライトホルン往復(登山)
  マッターホルン・グレッシャーパラダイス  → ツェルマット(泊)

 =  鉄道
≒  登山鉄道・ケーブルカー
-  バス
→  ゴンドラ・ロープウェイ
~  歩き(ハイキング)


Climb Every Mountain!

 映画「Sound of Music」の中でこの歌が歌われるのは、ジュリー・アンドリュース扮する主人公をはげまし鼓舞する場面ですが、この日はまさにそんな感じ。



 ブライトホルン登頂の朝。この日は朝から快晴で、町からもマッターホルンがよく見えます。朝8時にマッターホルン・グレッシャーパラダイス3820m行きのゴンドラ乗り場に行くと、たくさんのスキー客が。アルペンセンターの青いジャケットの人に名前を告げると私たちのガイドを紹介してくれました。名前はピーター、フランス語を母語とするのでしょうか?ドイツ系とは背格好や話す英語のアクセントも少し違う気がします。
 一番上までの往復の券を買って一緒に乗り込みます。彼の話によると日本人をガイドすることも多い、ブライトホルンはイージーで1時間半で登れるとのことです。
さてロープウェーは満員だったので私たちは外の景色を十分には見られませんでしたが、氷河越えのかなりスリルと迫力ある中を行きます。かなり料金の高いルートですので、晴れていれば価値あり。遠くモンブランも見ることができます。




 さてマッターホルングレッシャーパラダイスですが、ガイドブックによってはここは単なる展望台のように書いてありますが、ここは本来はスキー場です。夏のこの時期も国境の反対、イタリア側にゲレンデが広がっていて、多くの人がスキーを楽しんでいました。夏スキーといっても日本の小さいゲレンデなら収まってしまうほどの広さです。快晴の天気の中、1日スキーを楽しむというのもいいかもしれません。ここのレストランでトイレを済まし、ハーネスを装着して出発です。




 登山はスキー場のTバーリフト沿いにしばらく歩いて、途中、左手に折れます。ここでハーネスにロープを取り付けて、ピーター、カミさん、私の順番で行くことになりました。ブライトホルンまでのルートには実に多くのパーティーが頂上に向かっているのが見えます。



 最初は広い雪原を10メートル間隔で歩きます。あまり間を詰めるなと一度ガイドに注意を受けました。傾斜がきつくなる地点でクランポンをつけます。クランポンの装着は夕べ練習しておきました。さてここから斜面をジグザグに上がっていくと思ったのですが、ピーターは多くの人が登っているルートではなく、頂上に反対方向から回り込むルートを取りました。なぜかはわかりません。時間短縮になるのか、カミさんの様子を見てそうしたのか???カミさんもクランポンをつけて歩くのは初めてでしたが、特に問題なかったです。ポールを谷側の手に持ち、突き立てて雪面をおしながら一歩ずつ進んでいきました。

 広い山腹をトラバースしながら斜め上に登って行きます。アイゼンが効くので滑るような心配はありませんが、ちょっと歩きづらい。途中ちいさなクレバスがあってピーターがStop!と声をかけ、安全なルートを通ってからGo!。少し緊張しました。
 登りきるとブライトホルン頂上の東の肩につきました。稜線に上がり風景が一気に開けます。ここまでグレッシャーパラダイスを出発してから1時間30分かかっていました。しばし休憩。チョコレートを一口、口がとても乾くので水を何度も含みます。ゴルナーグラートの展望台も、昨日登ったオーバーロートホルンも眼下にあります。ここはすでに4000mはあるでしょう。

モンテローザのミミズクあたま

 頂上は稜線上に見えます。多くの人がいるのでそれとわかります。ピーターは10分で着くといいましたが、実際は15分ぐらいかかったと思います。実はここからがこの登山のハイライトだったのです。ナイフリッジの雪稜歩き。両側が切れ落ちており、やや斜度のゆるい南側を歩きます。踏跡がるので足元は安定しているのですが、カミさんはかなりビビッてました。ピーターにYou OK?と聞かれ、日本語で「がんばります」と答えたものの相手はわからず。何度もOK?と聞かれ、やっとOKと答えます。ここまで来て「私やっぱりここはダメだわ」とは言えないでしょ。何とかガイドについていくしかありません。多少とも登山の経験がものをいったのだと思います。でも風が強かったらどうだったか?


ここはちょっと緊張



 
Summit!

 足元だけを見て歩くこと10分。前方に多くの人がいるいるのが見え、ピーターが止まって「Summit!」と言いました。ついに今回の旅行の最大の目的、4164mのブライトホルン頂上に着きました。頂上は東西に長いものの、北側は切れ落ちており、南側の斜面もかなり斜度があるため、ピッケル無しでは落ちたら止まらないでしょう。あまり安定のいい頂上ではありませんが、しばし雲一つない360度の風景を眺め、写真を撮って下りにはいります。頂上にいたのは5分くらいでしょうか。もちろん腰を下ろす場所と時間はありません。

頂上からのマッターホルン

遠くモンブラン(左)も見えます


 下りは多くの人が登ってくるルートを降りました。アイゼンが効くので滑ることもないし、膝への負担も小さいので大股でどんどん下ります。クランポン初めてのカミさんも「快適、スキーしてるみたい」といってました。やがて斜度が緩くなったところでクランポンをはずし、あとは雪原をサクサクと歩いてグレッシャーパラダイスに帰り着きました。まだ12時前、下りは1時間もかかっていません。食堂でコーヒーを飲んでピーターと別れました。彼は明日から別のパーティーをガイドしてマッターホルンに登るそうです。どうもありがとう!



 私たちは手持ちの食料を口にして、しばしモンブラン方向の風景と異形のマッターホルンを眺めたのち、ツェルマットに戻りました。ちなみに帰りのケーブルカーはスキー客が列をなしており、乗り込むまで45分待ちました。




マッターホルン南壁


モンブラン


 登ってみての感想


 思いのほか息は苦しくなかったです。私もカミさんも高山病の兆候はありませんでした。
私たち同様に慣れていない人はハーネスとクランポンの装着の練習を前日にしておいた方がいいです。耳を覆う毛糸の帽子、サングラス、手袋は必携。それに日焼け止めとリップクリーム。トレッキングポールはあった方がいいです。片手はあけておいた方がいいので、2本より1本がいいと思います。
 温度は風が弱かったせいもあって、上はTシャツ、長袖シャツ、ウインドブレーカーがわりの雨具。下はタイツに夏用スボンで大丈夫でした。薄いダウンを持って行きましたが、ついに着る機会はなかったです。絶好のコンディションだったのでこれで済みましたが、日程が1月前後していたり、日差しがなかったり風が強かったりすればグンと寒くなると思います。
 私たちは高度順化と登りのトレーニングを兼ねて3415mのオーバーロートホルンに前日登りましたが、さらに気になる方はこのマッターホルングレッシャーパラダイスまで前日に上がってきて、スキーでもやってみるといいかも。



 

ツェルマット散策


 下においてからはホテルで少しゆっくりしてツェルマットの町を散策しました。といってもそんなに大きい街ではないのですが。
 
 欧州通貨危機の中でもアジア、特に中国からの観光客は伸び続けているのでしょうか、街中はクレーンが何本も立ち、あっちこっち建設中でした。実際、人はほんとに多かったです。

ホテルのバルコニーから。クレーンがたくさん見えます。
 
協会の前でで何かイベントをやってました

裏道に入ればこんな感じ


でも古い家並みがあちらこちらに残っていて、古いスイスがチラの見えるのもこのツェルマットのいいところなのでしょう。


この日はレストランで祝杯をあげました。

実践編 6 定番ハイキングコースは下りが多い。これ注意。


 ガイドブック等で紹介されているハイキングコースは、下りが多いです。登山鉄道やゴンドラが便利なところなのでそういうコース取りが可能になっています。まあ確かに普段ハイキングなどしない観光客に登りの道を歩かせるのは難しいかもしれません。苦しいよりは楽ちんなほうがいい。でもこれがクセモノ。


 スイスの定番ハイキングコースは初心者も楽しめるように下りが多く紹介されていますが、下りは下りで結構大変なのです。

それに結構標高差があり、膝が弱い人は注意が必要です。


たとえば紹介されているハイキングコースの標高差をみてみましょう。
○ツェルマット周辺
  •  ロートホルンパラダイスからスネガ   815m 2時間30分
  •  スネガからツェルマット                  668m 1時間30分
  •  シュバルツゼーからツェルマット      963m 3時間
○グリンデルワルト周辺
  • アイガーグレッチャーからアルピングレン  704m 2時間30分
  • クライネシャイデックからウェンゲン          786m 2時間





 実は標高差700メートル近くを下るのはかなりツライのです。下りは膝にくるし、転ぶ可能性もあります。特に慣れないお年寄りは経験と相談してコースを考えた方がよさそうです。その中でも私の少ない経験と地図で見た感じから、


膝に負担の少ないお勧めは


○ツェルマット周辺
  •  リッフェルアルプからスネガ
 標高差は78mです。途中谷を渡るので下りと登りがあり実際の登高差はもっとありますが、他はほぼフラットな道で眺めもよさそう。逆さマッターホルンが望める池を通ります。
○グリンデルワルト周辺
  •  メンリッヒェンからクライネシャイデック 
標高差168メートルのゆるやかな下り。実際歩きましたが道は整備されていてスニーカーでも問題なし。ほとんど平坦です。晴れていれば正面にユングフラウ・メンヒ・アイガーの3山の見ながらのハイキングです。定番中の定番。

  •  フィルストからバッハアルプゼー往復 
バッハアルプゼーまでは標高差103メートルの登り。ほとんど平坦で道も整備されています。こちらは穴場。往復というのに難がありますが帰りにフィルストフライヤーを楽しむという他にない凄いオプションがあります。

 

やっぱり登って下るのがおもしろい


 「地球の歩き方」にはたくさんの魅力的なコースが乗っています。個人的にはバッハアルプゼーからファウルンホルンに登るというのも魅力的でした。でもスイスにそう何度も行く機会は普通の人にはありません。ですからやはり大きな観光地の近くの定番に人は集まります。それでもその中から、自分にあったコースを選べるといいですね。だからこそパッケージツアーでなくて個人旅行のほうが自由度があります。

2012年8月18日土曜日

旅程編 4 第4日 ゴルナーグラートはスゴイ眺め

第4日

  ツェルマット ≒ ゴルナーグラート 【展望台観光】
  ゴルナーグラート ≒ ツェルマット

  ツェルマット ≒ スネガ
  スネガ → ロートホルンパラダイス
  ロートホルンパラダイス ~ オーバーロートホルン往復(ハイキング)
  ロートホルンパラダイス → ≒ ツェルマット(泊)」

=  鉄道
≒  登山鉄道・ケーブルカー
-  バス
→  ゴンドラ・ロープウェイ
~  歩き(ハイキング)



始発の電車でゴルナーグラートへ


 「地球の歩き方」に「ホテルの朝食をキャンセルしても見る価値がある」とあった早朝のゴルナーグラート。その通りに始発で行きました。朝7時の登山電車はあまり混んでなくて、同じ情報源なのか日本人が多かったです。

 この日の朝のツェルマットは低い雲が空を塞いでいましたが、これは山の上は快晴じゃねという勘があたり、列車は途中から雲を突き抜けました。マッターホルンが進行方向右手に見え始め、乗客から歓声が上がります。



 樹林帯を抜け、高度を上げるていくと、翌日に登るブライトホルンが見えてきました。もう後は前後左右、朝日に輝く白い山ばかり。
 30分ほどで3089mのゴルナーグラートに到着しました。皆がまず行くのはマッターホルンを正面に見る場所。ウオォー、すごい、ほんとにすごい。まさに絶景です。ほんとにすごい。これって山好きの私だけ?でもなさそうでした。

 


 ホテル(こんな場所にあるんです)の裏手の一段高い展望台まで行くと、それは360度すべて4000mの白く輝く山々に囲まれた風景が展開します。また素晴らしいのが幾筋のも曲線を描く氷河。それがモンテローザ、リスカム、ブライトホルンなどの近くの山々が、まるで首にマフラーを巻いてなびかせているように、美しく、かっこよく映ります。

左モンテローザ4634m 右リスカム4527m
 
右ブライトホルン4164m



 息を呑む、圧倒的な、神々しい、そして始発で来たご褒美でしょう、静謐な雰囲気の中でどっぷりこの自然の美に浸れます。確かに人がわいわい大勢いいたら、この雰囲気は味わえないでしょう。

ゴルナーグラートは始発がおすすめ

ユングフラウヨッホとは申し訳ないけど比べものにならないです。
 1時間と少しそこにいました。ホテルに戻ったら、まだ朝食の時間が続いていて、ありつくことができました。


 


ひと休みしてまたでかける

今日は、登りのトレーニングと高度順化もかねてオーバーロートホルン3415mに登ります。
ツェルマットから地下ケーブルカーでスネガへ。そこからゴンドラでブラウヘルト、さらに大型ロープウェイに乗り継いでロートホルンパラダイスにつきます。ここで標高3103メートル。すべての乗り物がものすごい急角度で、あっという間に標高差1500mをあがってきました。
 日本でいえば黒部ダムから立山へのあの角度、それもトンネル通って室堂に出るのではなく、そのまま立山の頂上までロープウェイが伸びていると想像してください。

 ロートホルンパラダイスには眺めのいいレストランもあり、トイレもあります。ここから赤茶けたオーバーロートホルンの頂上はすぐそばに見えますが、なかなか遠い。一度広い斜面を下って右手にフリューアルプ方面への道を分けると登りになります。

左手前のピークがオーバーロートホルン
 
下りきったところにある道標

 最初は山腹を巻くように登って行きます。高山植物が豊富でエーデルワイスを見つけました。しばらくしてジグザグの登り。これが頂上までひらすら続きます。


エーデルワイス ヘタですみません
こんな斜面です。ジグザグ


 しだいに高度を上げていくとゴルナーグラートからは見えなかった、モンテローザの東から流れてくるフィンデル氷河が望めます。
振り返ればこんな景色が

1時間がんばると頂上。ここもゴルナーグラートに負けず劣らずの絶景です。ゴルナーグラートより高いし、人工物がないだけいいかも。とても良い場所です。日本人はこの日は見かけませんでした。

下のほうに小さくロートホルンパラダイスのレストランが見えます



オーバーロートホルンはひと汗かいていい感じ


 私たちはここでカップヌードルを食べようとお湯を沸かしていたのですが、ひっくり返してしまい、水をほとんど失ってしまったので、ヌードルはあきらめざるを得ませんでした。残念。
ガイドブックではロートホルンパラダイスから1時間30分ですが、私たちは1時間45分かけて登りました。

 なお、このオーバーロートホルンへの登山道に4か所、写真のような眼を形どった「自由への道」というモニュメントが置いてあり、無生物の世界、植物の世界、人間の世界、そして頂上に精神の世界と題してメッセージが書かれています。それが英語、ドイツ語、フランス語でもう一つがなぜか日本語。興味ある方はお読みください。


「自由への道」の到達点 精神の世界 何だコレ



 実は帰りはここからスネガまであるいて下る予定だったのですが、二人ともハイキング3日目で少し足に筋肉痛を感じていたのと、同じく二人とも靴に違和感を感じたので、ロートホルンパラダイスまで戻って帰ることにしました。もう一つやめようと思った理由は、ここまでゴンドラ等を使って登ってくるときの斜度がものすごかったから。


ものすごい急角度です


 これを下るのかと思うと少し嫌になってしまったということがあります。私はもともと山では登りの方が好きで下りは嫌いなのです。もしオーバーロートホルンの頂上からスネガまで歩いていたら1127mもの下り。これは前腿と膝に大いに負担になります。翌日はブライトホルン登頂という今回の旅行の最大の目的がありますから、まあ英気を養うということで、やめました。


スネガパラダイスのカフェ、

あすはブライトホルンに登ります。

実践編 5 ガスカートリッジ(山用ガスボンベ)は現地調達可能

山での食事はアルファ米にカップヌードルと決まっておる


 「絶対にコメが食べたくなる!」とのカミさんの発言に揺れた私は、当初は予定になかったコンロ、コッヘル、アルミカップとフォーク・スプーンを2セット、保温水筒を持っていくことにしました。そして食料は
  • 山ごはんの定番、尾西食品のごはんシリーズ(チキンライス・梅わかめごはん) 
  • 家にあった缶詰(いわし油漬け、鯖の味噌煮)
  • キューピーのヘルシー玄米雑炊のうち2食
  • 日清カップ麺の詰め替え用(カップヌードルカレー・どん兵衛天ぷらそば)
  • フリーズドライの味噌汁
  • スティックコーヒー、お茶ティーバッグ
 これを3日目(フィルストからバッハアルプゼー、ブスアルプ)と4日目(オーバーロートホルン登山)の昼食に充てようと予定していました。
   
  飛行機にガスカートリッジは持ち込めないので、何とか現地調達しなければなりません。どなたかのブログに「スイスで購入可能」との報告があったので、何とかなるだろうとコンロのみ持ってきたのです。これだけでも結構な荷物です。

ガスカートリッジ(山用ガスボンベ)は現地で買える

 

少なくともグリンデルワルトとツェルマットでは現地で購入できます。
グリンデルワルトにはなんとモンベルショップがあり、日本人スタッフもいます。ここにはプリムスPrimusのガスカートリッジ大小がありました。日本の黄色のとは違い銀色のものです。私のコンロはEPIですが、共にスクリュー接続で問題なく使えました。


 ツェルマットではこのPrimusの他にMSRとキャンピングガスCamping Gas、それにコールマンColemanもありました。私が見たのはツェルマットのメインストリートの教会手前右側のマッターホルンスポーツという店です。



自炊のススメ


 「山deランチ」を目標にして食料をとコンロを持ってきた私たちですが、結局それらはツェルマットのホテルのバルコニーで夕食としていただきました。3日目のフィルストからバッハアルプゼー、ブスアルプまでのハイキングは天気も悪く、時間がかかってしまったためランチはツェルマットへ向かう列車の中でサンドイッチとバナナで済ませました。で、夕食はアルファ米シリーズ+缶詰+フリーズドライ味噌汁ということに。スーパーでビールを買ってきました。


 翌日のオーバーロートホルンではカップラーメンを食べるべく準備をしましたが、こちらはお湯を沸かしている途中にコンロをひっくり返してしまい、またもダメ。夕食に持ち越しとなりましたが、この日はスーパーでサラダやソーセージやらワインも買い込んで、結構豪華な夕食となりました。

昼食は
  •  朝食でサンドイッチを作って持っていく。チーズ、果物も調達 
  •  保温用水筒にお湯を入れ、コーヒーまたはお茶を作る。ワインもランチにグッド
  •  スーパーで買ったチョコレートとビスケット

3日目の昼から5日目の昼まで外食なし


 正直費用面でだいぶ助かりました。それに、レストランで食べるよりバルコニーで食べる夕食は気楽でよかったです。スーパーの食材も豊富ですし。

 
 スイス料理のメニューは英語で書かれていても私たちには想像しにくく、ボリューム的にも大きすぎて調節がききづらい、味的にも金額的にも毎日食べるのはツライなど問題もあります。私たちも店員を呼んでもなかなか来なかったり、出てきた食べ物が注文したものと微妙に違っていたりということがありました。
 レストランでメニューと格闘したり、英語で店員と会話するのに疲れたり、請求書の金額にハラハラするより、いっそウチゴハン
コンロを持ち込んでの自炊はオススメです!
 

旅程編 3 第3日 ファストバゲージは超便利 ブスアルプで雨に濡れる

第3日

  グリンデルワルト → フィルスト
  フィルスト ~ バッハアルプゼー ~ ブスアルプ <ハイキング>
  ブスアルプ - グリンデルワルト

  グリンデルワルト = インターラーケンオスト(乗り換え)
  インターラーケンオスト = シュパイツ(乗り換え)
  シュパイツ = フィスプ(乗り換え)
  フィスプ = ツェルマット(泊)

=  鉄道
≒  登山鉄道・ケーブルカー
-  バス
→  ゴンドラ・ロープウェイ
~  歩き(ハイキング)



 今日はまずフィルストまでゴンドラで登り、バッハアルプゼー、ブスアルプまで歩いてグリンデルバルトにバスで戻り、それから電車に乗ってツェルマットまで移動というハードスケジュールです。


ファストバゲージを使う

ファストバゲージ(Fast Baggage)とはいろいろあるスイスの荷物別送サービスの一つ。朝9時までに荷物を預けると、同日の18時に指定の駅で荷物を受け取れるというサービス。これも「地球の歩き方」で見つけました。
 朝、グリンデルワルトの駅でスーツケースを預けました。手続きは簡単。スイスパスを見せて「ファストバゲッジ トゥー ツェルマット」か何か言えば「オーケー」といって書類をくれますから、記入するだけです。引き取りの紙を渡されるのでなくさないように。今日は3回も乗り換えがありますから、これで荷物でヒイヒイ言わなくて済みます。ちゃんと18時にツェルマットに届いていました。スゴイ。これも鉄道が発達した国ならではです。自転車を積むこともできるし、ペット同伴もOK。これなら車でなくて電車を使いますよね。

詳しいホームページはこちら(英語)
どの駅からどの駅まで荷物を送れるかの一覧表があります。上のページを開くと中ほどに下のリンクがありますので、そちらを参照してください。
 
  • The connections on which you can take advantage of “Fast luggage”. 113 kB

  •  

     

    曇り。雲が低く垂れこめていてアイガーも頂上が見えない


     フィルストへのゴンドラに乗ったものの、すぐに霧の中。フィルストは視界100メートルほどで、このままいくかどうか考えましたが、スイス人らしい夫婦が歩いて行くのを見てわれわれも行ける所まで行くことにしました。
    フィルストのゴンドラ駅 霧の中です
     
    時々霧が晴れます


     フィルストからバッハアルプゼーまでの道はほぼ平らで歩きやすく、昨日のメンリッヒェンからクライネシャイデックのコースと同様のオススメコースですが、この日はあいにくの天気。でも歩き始めてしばらくすると風に霧が払われて時々緑のアルプが見渡せます。黒部川の源流、雲の平や黒部五郎のカールのような雰囲気。緑と水が豊富です。違いは雲の平の緑はハイマツですが、こちらは牧草。霧の中、どこからかカウベルの音が聞こえてきて、ああこのためにカウベルはあるのだなと実感。

    湿原のワタズゲ(のようなもの)
     




     バッハアルプゼーは二つの池。ガイドブックの写真では最高の景色なんですけど。かろうじて池の全容が見える程度。たくさんのベンチが置いてあり、トイレもあります。

     





     
    もうちょっとで晴れるのに・・・

     


    晴れればこんな感じだそうです。これは借用した写真です。


    ここで引き返せばよかった

    だけど予定通りブスアルプヘと歩いて下ることにしました。景色が良ければ楽しいのでしょうが、景色のない中でのな長い下りはツライ。途中、道を牛が何回もふさいでいて、それをよけたり、牛のふんをよけながら長い下りを続けていてようやくブスアルプの集落が見えてきました。


     
     
     
     


    すると

    雨が降り始め、雷も鳴り始めた


    雨具を付けましたが雨は強くなるばかり、雨具のスボンは穿かなかったのでスボンはビショビショ。途中ザックを濡れから守るために傘をさしました。集落に着いたものの、バス停がまた遠い。車道歩きとなってさらにバス停まで20分ほど下りました。
     結局この日はバス停に到着したのはバス出発時刻の15分前。バス停にはレストランはあるもののコーヒーを注文する時間もないので、トイレだけ借りて後はバスの運転手がドアを開けるまでしばらく傘をさして立ってました。ツラカッター。

     ブスアルプからグリンデルワルトまでのバスは村内バスだと思いますが、スイスパスで半額になります。半額でも一人11フラン。ホームページがあるので時刻表や料金が調べられます。バスは黄色の大型バスで、狭い山道を下っていきます。もっと小さいバスでもいいだろうと思うのですが。30分ほどしてグリンデルワルトの駅に到着。今日は散々でした。


    ツェルマットに向かう


     予定ではブスアルプにはバスの1時間前に着いて、自炊して山deごはんの予定だったのですが、見通し甘かったです。結局昼食をとる時間がなく、電車の中で朝食の時に手にいれたパン、フルーツで済ませました。ツェルマットまで乗換3回、3時間ほどの列車の旅です。ただ今度はファストバゲッジでスーツケースを送ってあるので楽チン。

     


     ツェルマットの駅に到着しました。

     

    時刻は17時20分。スーツケースの受け取り時刻は18時なので、ホテルのチェックインは後にして、まずはアルパインセンターに向かいました。明後日のブライトホルン登山のガイドの確認をするためです。もらったメールにもコンディションの確認などのためアルパインセンターを訪れるようにと書いてありました。

     さて行ってみると、どうも私とのメールのやり取りは残っているのに明後日の予定に入っていないようでした。で結局その場で予約することに。グループガイド370フランかプライベートガイド550フランどちらがいいかと聞かれ、当初はグループで申し込んだものの

    ブライトホルンはプライベートガイドに変更

    カミさんは歩くスピードが遅いので、もし欧米人グループに加わると足を引っ張るようなことになりそうなので。結局これは正解だったかな。
     最後に天気を聞くと、「You're lucky!」。明日と明後日は天気が回復するとのことでした。

     ネットでアルパインセンターの申し込みをした場合、受付のメールが来るので必ず返信すること(英語)あと体力などに自信のない人はプライベートガイドを勧めます。

     まだ時間があるので街を散策していると教会のあたりからマッターホルン(4478m)が見えました~。オオーッ、これがマッターホルンか。感動!。


    

     


    それにしてもツェルマットは人が多い。グリンデルワルトとは比べものになりません。メインストリートがまた狭いので余計に人が多く感じます。ホテル、レストラン、ショップが軒を連ねて、そこをいろいろな国の人が歩いています。まさに世界的観光地。

     



     駅へ荷物を取りに行き、スーパーで買い物をしてホテルにチェックインしました。