2012年8月19日日曜日

実践編 7 ブライトホルンへの装備・服装・技術について

ブライトホルンへ私も登ってみようかな、と思った方へ



道具はどこで借りるか


 今回私たちが借りたのはハーネスとクランポン(アイゼン)だけです。靴、トレッキングポールは日本から持って行きました。なんなら靴も現地で借りられます。日本の女性の小さいサイズがあるかどうかわかりませんが。
 私たちは駅前の(そしてホテルから一番近い)BAYARDという大きなスポーツショップで借りました。2点×2人で52フラン。物価の高いスイスにしては安いのでは?他にもツェルマットの街中にはたくさんのスポーツ店があって登山道具だけでなく、スキー・スノーボード、マウンテンバイクなどを貸してくれます。出されたクランポンは10本爪のだいぶ古い感じのものでした。
 ハーネス、クランポンともに装着の仕方を店員から聞いて終了。ちなみに前日借りの当日返しが原則です。クランポンを借りるときは自分の靴を持参するように。それに合わせてくれます。また私たち同様に慣れていない人は、ハーネスとクランポンの装着の練習を前日にしておいた方がいいです。


6本爪の簡易アイゼンではどうか


 事前にメールでツェルマットのアルパインセンターに、「自分は6本爪のクランポンを持っているのだが、10本爪や12本爪のクランポンを現地で借りた方がいいだろうか?」という質問をしていたのですが、「クランポンは市内のいたるところで借りられる」という返信だけで、6本爪でいいかどうかの回答はありませんでした。実際持って行きませんでした。
 結論としては、6本爪ではダメです。斜度もあるし稜線にはナイフリッジ状のところもあります。危険です。10本爪以上のものを使いましょう。


ピッケルは必要?


 ピッケルは滑落停止など正しい使い方を知らない者には邪魔なだけでしょう。それより初心者は確実かつ効率よく歩くための補助としてトレッキングポールを使った方がいいとおもいます。2本より1本のほうがいいのではないでしょうか。雪用のスカートをつけるのを忘れずに。



 その他服装について


 耳を覆う毛糸の帽子、サングラス、手袋は必需品。それに日焼け止めとリップクリーム
温度は風が弱かったせいもあって、上はTシャツ、長袖シャツ、ウインドブレーカーがわりの雨具。下はタイツに夏用スボンで大丈夫でした。薄いダウンを持って行きましたが、着る機会はなかったです。絶好のコンディションだったのでこれで済みましたが、日程が1月前後していたり、日差しがなかったり風が強かったりすればグンと寒くなると思います。
 あと、英語の案内ではゲイター(膝下から靴のすぐ上までを覆う雪が入らないようにする冬用の丈夫なスパッツ)も準備する装備に入っていました。ブライトホルンの歩行距離や難度、積雪量からいってゲイターを必要とするほどではありません。


食料と水について

 午前中に戻ってきてしまうので、昼食を持っていく必要はありませんが、チョコレート、アメなどを持っていくといいでしょう。また、案内では1リットルの水とあります。私たちは水は現地スーパーで買いましたが、他に日本から保温できる水筒を持って行きました。毎朝ホテルでお湯を入れて持ち歩きましたが、とても役に立ったと思います。



高度の心配について


 私たちは高度順化と登りのトレーニングを兼ねて3415mのオーバーロートホルンに前の日に登りました。オーバーロートホルン自体とても素晴らしいところです。おススメです。さらに気になる方はこのマッターホルングレッシャーパラダイスまで前日に上がってきて、スキーでもやってみるといいかも。


ガイドについて


 申し込みは日本からネットでできます。英語のやり取りが必要ですが。詳しくは準備編を見てください。結果的には前々日にアルパインセンターを訪ねた時に正式に申し込んだ形になっています。前日申し込みでアレンジ可能なのかどうかはわかりません。
 当初申し込んだ時はグループガイドでした。日本人とグループを組む可能性が高いと他のブログでみたものですから。でもいつもそうなるとは限りませんよね。カミさんは歩くスピードが遅いので、外国人と組んだ場合ブレーキになってしまうかなと思って、結局プライベートガイドを申込みました。値段については180フランほど高かったわけですが、結果的に良かったのではないでしょうか。ただいずれにせよ、ある程度の英会話はできないと難しいかな。


体力・技術について

体力的には長く厳しい上りがあるわけではないので、あまり心配いりません。技術的にもカミさんはクランポンをつけて雪道歩くのは初めてでしたが、問題はなかったです。ただ、頂上付近の稜線は確かに高度感はあります。高いところで足がすくんでしまうと難しいかもしれません。



保険について

今回迂闊にも、というか無謀にも特に保険には入っていきませんでした。普通の旅行保険が登山中の事故に適用されるか調べもせず。こちらはよく調べて加入されることをお勧めします。


みなさんもフライトホルンにチャレンジしてみては?



以下はアルパインセンターからメールで送られてきた注意書きの抜粋です。

4000m peaks day trips: Offers for groups
The price:
Agency fee incl. VAT, guiding by mountain guide incl. Certificate for Breithorn, Pollux or Castor
(cable car tickets are not included in the price)
Size of group:
Breithorn: 3 to 6 people per guide
Pollux: 2 to 3 people per guide
Castor: 2 people per guide
Half-Traverse of Breithorn: 2 people per guide
Equipment:
Good climbing boots suitable for use with crampons, ice axe (except for Breithorn) climbing harness, crampons, 1 ski or hiking pole, gaiters, warm weather-proof clothes (sweater, jacket, long johns), warm gloves and mittens, a warm hat, a hat for protection from the sun, sunglasses, high factor sun screen, a thermos flask (for warm drinks, approx. 1 lt. capacity), packed lunch (refreshments: high-energy food such as chocolate, dried fruit, glucose, etc.), a pocket knife, rucksack
Registration:
We advise bookings to be made at least 3-4 days in advance. However, registration can also be possible at short notice.
Opening hours Alpin Center: 9 am to 12 pm, 3 pm to 7 pm
Note:
Private guides available on request.
Insurance: At your own risk (accident insurance and air rescue insurance in case of an accident is highly recommended)
Extras: We will gladly issue gift vouchers for any of our offers.

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